住宅ローン用語集
返済比率
住宅ローンにおける返済比率とは
住宅ローンがいくら借りられるかは、住宅取得の予算を考える上でとても重要なポイントです。その借入可能額を算出するために使われるのが「返済比率」です。返済比率は、住宅ローン以外の借入金も含めた年間返済額が年収のどのくらいの割合かを表すもので、返済比率は次の計算式で算出します。
返済比率(%)=すべての借入金の年間返済額(円)÷年収(※)×100
- 年収は手取り金額ではなく額面
年収が多ければ返済比率は下がる
同じ年間返済額であっても、年収によって返済比率は異なります。
どのように異なるのか、年収別に見てみましょう。
前提条件:金利1.87%、返済期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なし
他の借入金なし
例えば、4,000万円を借り入れした場合、年収500万円なら返済比率が30%を超えますが、年収800万円なら20%を切る返済比率です。
借入金額 | 上段:毎月返済額 | 返済比率 | ||
---|---|---|---|---|
下段:年間返済額 | 年収500万円 | 年収800万円 | 年収1,000万円 | |
3,000万円 | 97,389円 | 23.4% | 14.6% | 11.7% |
約116.9万円 | ||||
4,000万円 | 129,852円 | 31.2% | 19.5% | 15.6% |
約155.8万円 | ||||
5,000万円 | 162,315円 | 39.0% | 24.3% | 19.5% |
約194.8万円 | ||||
6,000万円 | 194,778円 | 46.7% | 29.2% | 23.4% |
約233.7万円 |
住宅ローンにおける借入金額の上限と目安
返済比率は住宅ローンの借入限度額にも影響します。例えば、【フラット35】の場合、借入の要件として、年収400万円未満の場合は返済比率30%以下、年収400万円超の場合は35%以下と定められています。
そのため、前出の表では、年収500万円の場合、借入額が5,000万円および6,000万円の場合には35%を超えてしまうため、実際には借り入れはできないということがわかります。
なお、借入限度額は次のように計算します。
借入限度額の計算
1.年間の返済額の上限=年収×返済負担率(A)-その他ローンの年間返済額
2.1ヶ月あたりの返済額の上限=A÷12(B)
3.借入限度額=月々の返済額が1万円のときの借入額×(B)÷10,000
例えば、上記の事例(金利1.87%、返済期間35年、元利均等返済、ボーナス返済なし)の場合の月々の返済額が1万円のときの借入額は308万円です。この前提で年収500万円の場合の借入限度額を計算してみましょう。
計算例
年収500万円の場合
1.年間の返済額の上限=500万円×35%=175万円
2.1ヶ月あたりの返済額の上限=175万円÷12=145,833円
3.借入限度額=308万円×145,833円÷10,000=4,491万円
約4,491万円が借入限度額の目安になります。
なお、この計算は端数処理しているため、正確な金額を知りたい場合には、こちらのシミュレーターをご利用ください。
借入限度額の例(【フラット35】の場合)
【フラット35】の場合には、その時点での金利で借入限度額を計算します。
年収 | 借入限度額 | 毎月返済額(金利1.87%) |
---|---|---|
500万円 | 4,491万円 | 145,758円 |
800万円 | 7,187万円 | 233,084円 |
1,000万円 | 8,000万円 | 259,704円 |
- 【フラット35】の借入限度額は8,000万円
返済比率を考えるときの注意点
借入限度額を計算するには、全ての年間の返済額が必要になります。住宅ローン以外に、例えば、車のローンや教育ローンなどを借り入れしている場合には、その年間の返済額を確認しましょう。住宅ローン以外の返済があると、その分、住宅ローンで借り入れできる金額が少なくなってしまいます。可能であれば、その他の借り入れは返済しておくとよいでしょう。
返済比率の30%、35%という数字はあくまでも、借入限度額を計算するためのものです。借り入れができるからといって、返済できるとは限りません。年収に対する返済額が何%までなら安心という数字は、人によって異なりますが、一般的には20%〜25%程度といわれています。
また、将来にわたって現在の収入額が維持できるかどうかもポイントになります。
返済比率のまとめ
返済比率は、年収(額面)に対して、すべての借入金の年間返済額がどのくらいの割合を占めるかというものです。金融機関は審査において、借入限度額を算出するために返済比率の上限を決めていますが、返済できるかどうかはまた別の問題です。将来、年収が下がれば、返済比率は上がってしまいます。最後まで返し切れる金額かどうか、しっかり検討して借入する金額を決めましょう。
- この「用語集」は、あくまで一般的な説明をしているもので、当社の商品の説明や広告をするものではありません。
- 記事中に用いているシミュレーションの金利は試算例であり、実際とは異なります。