リバースモーゲージ

自宅等の不動産を担保に、金融機関から融資を受けます。融資の受け取り方は金融機関によって異なりますが、一括や毎月一定額ずつのほか、必要な都度受け取る方法があります。

住宅ローンなどの一般的なローンでは、元金と利息を合わせて返済していきますが、リバースモーゲージの場合は、契約者が生存中は、融資金額に応じた利息のみを返済し、契約者が死亡した後に、担保の自宅を売却して元本を返済します。自宅を手放したくない場合には、相続人が一括返済をすることも可能です。

リバースモーゲージを利用できるのは、金融機関によって違いはありますが、55歳～80歳の間で設定されていることが多くなっています。

また担保にできるのは、一般的に、自宅として利用しているものに限定されています。

借入金

自宅の担保評価の50％～70％程度が融資限度額となるのが一般的です。
借入金の受け取り方法は、（1）一括融資タイプ、（2）定期融資タイプ、（3）融資限度枠内で必要時に融資を受けるタイプ等があります。

返済方法

一般的には、契約者の死後に、自宅を売却して一括返済となります。
ただし、自宅を売却せずに契約者の自己資金で返済する方法や、契約期間中（生存中）の返済も可能です。
自己資金で返済した場合は、自宅は残ることになり、遺族に引き継ぐことも可能です。

リバースモーゲージの特徴を、そのメリットとデメリットから見てみましょう。

メリット

その１：自宅を手放すことなく老後の生活資金の調達ができる

自宅を売却すれば、まとまった資金を手にすることも可能ですが、リバースモーゲージなら、自宅を売却することなく、老後資金の調達が可能です。自宅に住み続けられるので、住環境を変えずにすみます。
また、契約者が死亡した場合でも、配偶者が契約を引き継ぎ、自宅に住み続けることも可能です。（ただし、金融機関によって条件などが異なる場合もあります。）

その2：月々の返済額が少なくてすむ

住宅ローンなど一般的なローンは、元金と利息を合わせて返済していきますが、リバースモーゲージでは、利息のみを返済するのが一般的です。そのため、毎月の返済額が少なくてすみます。

デメリット

その１：推定相続人の承諾が必要となる

リバースモーゲージは、契約者が死亡した後に、相続財産である自宅を売却して、借入金を一括返済することを前提としています。
そのため、契約において、配偶者や子などの推定相続人の同意を必要とする金融機関がほとんどです。
推定相続人の同意が必要ない商品もありますが、一般的には、契約者本人が単独で契約をすすめることは難しく、推定相続人への説明と理解が不可欠となります。

その2：担保評価額が変動する

担保評価は定期的に見直されます。
自宅の評価が下がった場合には、融資限度額も引き下げられるリスクがあります。
もし、融資限度額の引き下げにより、現在の借入金が融資限度額を上回ってしまった場合は、超過分の返済を求められることもあります。

その3：金利が変動する

リバースモーゲージでは変動金利が多く採用されています。
金利が上昇した場合、融資金額の減少や月々の利息負担の増加につながります。

リバースモーゲージのメリットとデメリット

自宅の不動産価値を活用して、老後資金を得る方法として、リバースモーゲージは有効な方法です。
ここで挙げたデメリットにおいても、あらかじめ担保評価や金利の推移などを確認しておくことで、融資額や利息の変化を把握でき、今後の家計の見直しもできるので、将来的な不安も軽減できるでしょう。
また、自宅売却の件や亡くなった後の事務処理のことなど、身内に対してリバースモーゲージの説明をし、理解を得ておくことは、将来的なトラブル回避のためにも重要です。