不動産担保ローンとは

不動産担保ローンは、金融機関から融資を受けるにあたり、所有する不動産を担保にするものです。銀行などのローンは大きく有担保ローンと担保を提供せずに融資を受ける無担保ローンがあります。不動産担保ローンは有担保ローンの一つで、担保が不動産というものです。

不動産担保ローンの仕組み

不動産担保ローンは土地や建物を担保に融資を受けるものです。金融機関は不動産の価値と借り入れ申込者の返済能力などを審査し、融資額などを決定します。融資の実行にあたり、金融機関は不動産に抵当権を設定します。
借入者は元本と利息を返済しますが、万が一返済ができなくなった場合には、金融機関は担保不動産を競売に出すなどの方法で貸付金を回収します。

不動産担保ローンの仕組み

不動産担保ローンでの借入額

不動産担保ローンで借り入れできる金額（借入限度額）は金融機関によって異なります。一般的に銀行では1億円まで、ノンバンクでは10億円までとしているところが多いようです。
実際には、担保不動産を審査し、その評価額の一定の比率以内で融資額が決定します。また、返済能力についての確認も行われます。
なお、担保に提供する不動産は本人名義の住宅以外に、住宅以外の不動産や家族名義の不動産も対象となります。また、原則第一位の抵当権の設定が必要ですが、借入金の残高によっては、第二位以降でも融資を受けられる可能性もあります。

不動産担保ローンの返済方法

不動産担保ローンの特徴の一つが、返済期間が最長30年、または35年と長くなっていることです。金利は2%〜10%程度で、金融機関や審査結果によって異なります。一般的には、融資された資金を一括で受け取り、その後、毎月返済や金融機関によってはボーナス返済を併用して返済していきます。
返済方法は元利均等返済のほか、元金均等返済が選べる金融機関もあります。また、まとまった資金が入った場合などは繰上返済を行うことも可能です。

不動産担保ローンのメリットとデメリット

不動産担保ローンのメリット

1.低金利である

不動産担保ローンは、不動産を担保として提供するため、一般的な無担保のフリーローンと比較した場合に、低金利で借り入れすることができます。

2.融資限度額が大きい

不動産担保ローンは不動産が担保であること、つまり担保の価値が比較的高いため、まとまった金額の借り入れが可能になります。

3.返済期間を長くできる

不動産担保ローンの返済期間は最長35年など長く設定することが可能です。そのため、毎月の返済額を少なくすることもできます。

4.資金使途が比較的自由

住宅ローンや自動車ローンのように資金の使途が制限されていないので、比較的自由に使うことができます。

不動産担保ローンのデメリット

1.諸費用が高い

不動産に抵当権の設定を行うことから、登記費用なども必要となり手数料は高めになります。

2.融資までに時間がかかる

本人の査定に加え、担保に提供される不動産の評価を行うことから審査に時間を要します。また、不動産に抵当権を設定して融資実行になるため、カードローンなどに比べると融資までに時間がかかります。

3.不動産を手放すリスクがある

返済が不可能になった場合には、金融機関が残債に充てるため抵当権を実行する可能性があります。その場合には不動産を失うことになります。

不動産担保ローンの活用事例

比較的多額の金額の借り入れが可能であることや、資金使途の自由度も高いことから、さまざまなことに活用できます。

・教育資金

子どもの大学進学や留学に教育ローンだけでは資金が不足していたため、不動産担保ローンを利用

・相続関連の資金

相続不動産を活用して、相続税を支払うためや、兄弟への代償金の支払いのための資金を確保

・セカンドハウスの購入

別荘を購入したいが、一般的な住宅ローンは利用できなかったため、不動産担保ローンを利用

・借入金のおまとめ

複数の借入金があるが、まとめて不動産担保ローンで借り換えることにより、返済期間を長期にして毎月の返済額を軽減

不動産担保ローンのまとめ

不動産担保ローンは、所有する不動産を活用し、さまざまなことに利用することができます。返済期間も長く取れるため、毎月の返済額を抑えることも可能です。ただし、もし、返済ができない場合は、担保にした不動産を失うことにもなりかねません。長期返済になればなるほど、将来的にも返済は可能なのか、よく検討した上で利用しましょう。